日中の眠気
日中の眠気
睡眠障害は”眠れない”だけではない!
- 日中に急激に睡魔が襲ってくる
- しっかり寝ているはずなのにうとうとしてしまう
- 運転中に眠気が来てヒヤリとした
- 仕事で集中力に欠けてしまう
といったことにお悩みの方は、睡眠に何かしらの不具合が起こっている可能性があります。
睡眠障害といえば「眠れない」というイメージがあるかもしれません。
ですが睡眠の質が低下することで日中に眠気が来てしまうことも、睡眠に何かしらの問題があると言えます。また、生理現象で起こることもあります。
今回は様々な観点で日中の眠気「睡魔」についてまとめています。
日中の眠気の原因
睡眠不足
日中に眠気を感じる場合、一番多いのは睡眠不足です。
長く寝ていないというよりは”自分にとって適切な睡眠時間が確保できていない”と言えます。
一概に何時間以上寝れば睡眠不足が解消できるといったことはありません。
人それぞれに合った睡眠時間というものが存在します。
睡眠日誌を付けることで自分にとって最高の睡眠時間を知ることができます。
*睡眠日誌のダウンロード、書き方はこちらから
睡眠の質の低下
適切な睡眠時間が確保できていても、睡眠の質が悪ければ日中に眠気は襲ってきます。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠という2つの眠りのステージが存在します。
特にノンレム睡眠は深い睡眠で脳の回復をメインにおこないます。
*ノンレム睡眠・レム睡眠については下記の図を参照
この2つの睡眠のバランスをよく保つには、たくさん意識することがあります。
簡単に言えばとにかく快適な環境にすれば問題ありません。
・室温、湿度(季節によりますが、寝る直前は体温が下がると寝やすいです)
・明かり(ライトはなるべく使わず、月の光や、網膜を刺激しにくいライトを選ぶ)
・寝具、寝巻き(自分の体にあったものを選ぶ必要があります。)
・カフェインやタバコなどの刺激物を避ける(神経が高ぶることを防ぐことが大切です)
など様々です。
*最高の睡眠環境についてはこちらから
体内時計の乱れ
人間は24時間の中で、仕事をしたり学校に行ったり、食事をしたり、眠ったりと、リズムを作って生活をしています。
しかし、本来人間の体は25時間の周期で体内時計は回っているのです。
地球の1日のリズムは24時間周期でおこなわれていて
人間の1日のリズムは25時間周期でおこなわれているのです。
ですから人間はその1時間のずれを修正しながら生活を送らなければならないのです。
実際に、時間や太陽の光を浴びない場所で過ごすと、睡眠時間が1日1時間ずつ遅れていくということもわかっています。
1時間のずれに対応することができないと、不眠症や日中の眠気が起こってしまいます。
人の体内時計は、脳の視床下部と呼ばれる部分で調整されています。
視床下部は非常に優れた器官で、時間や太陽の動きがわからないところにいても、眠気と覚醒を発生させることができます。
睡眠と覚醒は視床下部が司令官となって”自律神経” ”ホルモン” ”免疫” など様々な要素に働きかけてコントロールされます。
この視床下部のコントロール機能を作動させる最大の要素
それは”光”です。
厳密に言えば網膜を刺激する光です。
光は目→網膜→視床下部と伝達されていきコントロール機能のスイッチを押します。
ちなみに太陽の光は光でも、朝日は体内時計を早めて、夕日は体内時計を遅らせるということもわかっています。
ですから、朝に日を浴びて、活動することで1時間のずれは修正されていくのです。
この一連がうまく行われないと、ズレが生じてしまうのですが、現代社会においては
スマートフォンやPC、コンビニやスーパーの電飾、自宅のライトの種類などで、太陽光と同じ分類の光を常に浴びて、体内時計をどんどん狂わせられるということがおこってしまいます。
現代は便利な分、人間の体内時計のズレをあらゆる場面でズラしています
特にスマホやPCから出るブルーライトは、睡眠に大切なメラトニンと呼ばれるホルモンを出すことをストップさせてしまいます。
メラトニンが分泌されないと寝つきが悪くなったり、睡眠の質が低下したりしますので、寝る前、最低1時間前にはスマホをいじることは控えたほうが良いです。
寝る前に太陽光を浴びるのと同じようなことが起こってしまうので要注意です。
また、体内時計のずれにも種類があります。
・自分の体に問題がある場合
・交代勤務性、時差など外界の影響でズレる場合
の2種類です。
薬の副作用
お薬によっては催眠作用のあるものが存在します。
胃薬、風邪薬、花粉症の薬(アレルギーのお薬)は痛みやアレルギー反応を抑える代わりに、
脳の神経の興奮や覚醒を抑えてしまうという副作用があります。
そのお薬を服用する時期、特に春先では眠気が起こりやすいです。
それをきっかけにリズムが崩れてしまうということも、しばしばありますので、
お薬を服用しない期間に、いかに良いリズムで生活するかが鍵になってきます。
食後の眠気
食後は血液中の血糖値が上昇します。
血液に含まれた糖は細胞のエネルギーとなります。その糖を細胞に取り込むことでエネルギーを調達しながら、血液中の血糖値を下げてくれるのが、膵臓からでてくるインスリンです。
糖は特に炭水化物に多く含まれています。ですので、ご飯や麺を食べると血糖値をグンと上げていきます。そうなると、インスリンは大量に動員されて、血糖値が上がった分、一気にインスリンによって血糖値が下がります。
このように血糖値がジェットコースターのように上下を繰り返すことをグルコーススパイクと呼び、体に大きな負担をかけます。
グルコーススパイクは、食後の眠気、怠くなる、イライラする、食べてもすぐ空腹感を覚える、集中力判断力が鈍るいうことが起こり、何より糖尿病の一番の原因になります。
ですからランチの際には、炭水化物の量を控えるもしくは、先に炭水化物以外のサラダやタンパク質を多く含むものを食べるということをするだけでも、糖のジェットコースターは抑えられます。
ホルモンバランスの乱れ
睡眠に関係するホルモンはたくさんあります。
そもそもホルモンとは、総称して内分泌系と呼ばれていて、先に述べたようなインスリンもホルモンの一種です。
内分泌系に所属する臓器、膵臓や副腎などから出てきた物質が血液を流れて特定の器官(心臓や脳、自律神経など)に作用して、全身に影響を及ぼす、小さな巨人のようなものです。
そのホルモンのバランスが乱れたり、分泌されなかったりすると、睡眠の質どころか、生活の質じたいも下げてしまうということもあり得ます。
睡眠に関係するホルモンの代表例
・成長ホルモン(細胞修復、名の通り成長)
・メラトニン(寝つきや睡眠の質向上)
・コルチゾール(寝起きを良くする)
です。
これらをうまく出す方法は、これまでに書いたように睡眠環境を整備することであったり、
太陽の光を朝に浴びて、ブルーライトを避けるというようなことが必要になってきます。
*1つ1つのホルモンの詳しい作用、出す方法はこちらから
睡眠障害の影響
睡眠障害にも様々な種類がありますが、日中の眠気に関係するものは
- 睡眠時無呼吸症候群
- ナルコレプシー
- うつ病
- PMS(月経前症候群)、更年期障害
・睡眠時無呼吸性症候群
名の通り、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。
肥満であったり、気道が生まれつき狭い方、妊娠中などに頻発する病気です。
無呼吸症群専用の機械を用いて、空気を供給することで、突然の死の対策や睡眠の質の確保をすることが主な予防策です。
鍼やカイロプラクティック治療では、気道を狭くしてしまう要因を取り除くことや、自律神経の乱れの調節、鼻の詰まりの改善させることをメインにおこなっていきます。
・ナルコプレシー
日中に突然強い眠気に襲われたり、感情が昂った時に意識を失うように眠ってしまうような症状が起こる病気です。
オレキシンという食欲を起こすホルモンが、分泌されにくい方に起こる病気です。
専門医での治療がメインになりますが、鍼やカイロプラクティック治療では、オレキシン分泌すると反応するとされている、ふくらはぎ周囲の筋肉を刺激していきます。そうすることで、オレキシンを分泌することを促す作用を狙って治療を行っていきます。
・うつ病
コロナ禍の中で、増加したうつ病は、一時的に落ち込んだりするようなものとは違い、
言葉では表せないような、気分の落ち込み、地面に吸い込まれるような沈んだ精神状態になるようなものです。喜びや嬉しさなどの感情がなくなってしまうことや、食欲の低下、会話力の低下などが見られます。症状の中には睡眠障害も含まれていて、昼夜逆転が頻発します。
精神的にダメージを受けてしまった方への鍼やカイロプラクティック治療では、精神性の病にとっかした施術+ホルモンバランスや自律神経を整えること+行動認知療法を加えたカウンセリングを同時に行うことで、改善を目指します。
・PMS、更年期障害
PMSでは排卵前後でのホルモンバランスの乱れで起こります。
特にプロゲステロンと呼ばれるホルモンには催眠作用があり、夜に限らず日中に眠気を起こします。また、排卵後は体温の上昇が顕著に見られるため、眠る時に寝苦しくなります。その影響で、日中に眠気が起こりやすくなります。
頭痛やめまい、イライラ、腹痛なども併発されます。
鍼灸治療では、女性ホルモンの分泌にとって良いツボを刺激することでPMSを改善していきます。
体温の変化に対応できたり、眠気以外の随伴症状にもアプローチすることで、全身的な回復を見込めます。
更年期障害も、PMSと同じようにホルモンバランス+自律神経の乱れでおこり、日中の眠気を起こすことがあります。ほてりやのぼせが眠る時に起こってしまい、睡眠の質を下げるためです。
また、更年期になると、睡眠時間が若い頃に比べ短く、そして浅くなる傾向にあります。
どちらの場合でもお薬での対応ももちろん良いのですが、
鍼+カイロプラクティック治療+生活習慣の改め+食事でだいたいは解決することが可能です。
このように、日中の眠気にはたくさんの原因がありますが、
全てが当てはまる方はほとんどいらっしゃいません。
おひとりごとに悩み方は違います。
どれか一つでも当てはまったり、日中にどうしようもない眠気に襲われた時は、
ぜひ専門医や我々にもご相談ください。
事故やエラーを未然に防ぎましょう
睡眠の質の低下・不眠・仮眠・中途覚醒など睡眠でお悩みの方はぜひご利用くださいませ
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