悪夢を見てしまう
悪夢(怖い夢)
悪夢とは何?!
眠っている時にみる夢。その中でも、誰かに追いかけられたり、深い溝に落ちてしまったり、というような不快な夢を見てしまうことがあります。
- 嫌な夢を見て目が覚めてしまう
- 毎日のように夢を見てしまう
- 悪夢が怖くて眠れない
- 悪夢の後は、また眠ることができない
というようなことでお困りの方は、「悪夢障害」という状態かもしれません。
悪夢障害とは睡眠障害の1種です。
悪夢の内容は起きた後も記憶に残っているのが特徴で、日常生活に支障が出てしまいます。
例えば、悪夢の記憶が日中にフラッシュバックして、体が硬直したり、コミュニケーションが取れなくなってしまったりしてしまいます。
悪夢とは何?!
主な原因は心身のストレスだと考えられています。
近年のコロナウイルス関連のニュースや、ウクライナ・ロシア間のニュースなどで、憂鬱になってしまう方が増えたことから、現在は悪夢障害が増加傾向にあります。
他にも
日常生活の中で印象深く残っている出来事や、事故・怪我などの強烈な出来事。
不安、ストレス、睡眠不足、薬の副作用、アルコールなども原因として挙げられます。
心不全やがんなどの病気で発生することもありますので、基礎疾患をお持ちの方は注意が必要です。
悪夢障害に「レム睡眠行動障害」という病気が併発することがあります。
何かに襲われるような夢や、逃げるような夢の場合に、現実世界でも体が反応して動いてしまうというものです。大きな声、寝言を言うことも含まれます。
単に反応して動いてしまうということもありますが、認知症の前兆であるということも言われておりますので、注意が必要です。
悪夢を見たり、金縛りになりやすい睡眠姿勢
悪夢を見たり
金縛りになりやすい睡眠姿勢
そもそも夢はどのタイミングで見ることが多いのかということは、今でも議論が続いています。
一番有力な候補な、レム睡眠の際に夢を見るというものです。
レム睡眠とは、睡眠の種類の1つです。
人間の睡眠は大きく2つに分けられています。
・レム睡眠=脳は比較的働いているが、体は休まっていて力が入らない状態
・ノンレム睡眠=脳が休まっている状態
また、ノンレム睡眠から覚醒に移行するタイミングで夢を見るということもいわれています。
また、寝るときの体勢と夢の関連を検討した研究では、
仰向けで眠る頻度が高い人
「落ち着いた夢」「活動性の低い夢(逃げたり闘ったりする夢ではない)」などを多く見るということがわかっており、比較的日常的で静かな夢が多くなります。
うつ伏せで眠りに入る人or起きた時に横向きになっている人
「活動性の高い夢(動きのある騒がしい夢)」を見ることが多いと言うことが判明しています。
また、金縛りはレム睡眠中に起こることが多いと言われています。
脳は活動的で、体には力が入っていないということから、意識はあっても体がついてこないからだという見解です。
悪夢への対策
朝日を浴びる
朝日を浴びるようにすると、体内時計がリセットされて良い睡眠を確保することができます。
またその際に深呼吸をリズム良く行うと幸せホルモンであるセロトニンが出るため、不安になりにくくなります。
*体内時計についてはこちらから
ストレスとうまく向き合う
ストレスとうまく向き合えるようにと言われても難しいかと思います。
現状いる仕事の環境や学校の環境、家庭環境を急に変えることは難しいです。
日々の生活の中で
散歩や誰かとの会話、youtubeやネットフリックスを見る、お笑いを見て笑うなど、
小さな楽しみをぜひ見つけてみてください。
ほんの小さなことでも問題ありません。
寝室の環境を整える
・騒音が気になる場合はホワイトノイズを携帯で流してみる
・暑さや寒さで眠れない場合は空調を効かせてみる
・光が眩しかったらアイマスクをつけてみる
など
温度・音・光の3要素は重要です。
*最高の睡眠環境についてはこちらから
寝る前にリラックスする
寝る前に副交感神経を優位にすることで、スムーズな入眠と深い睡眠を確保できます。
・寝る1~2時間前の半身浴
・ラベンダーやひのきの香りのアロマをたく
・眠りに良い音楽をかける(432Hz・1/fゆらぎ など)
ということをしていくとリラックスできて、悪夢を防ぐことができる可能性があります。
お顔のマッサージ
優しく顔のマッサージをすると真の副交感神経優位に移ることができます。
*自律神経と睡眠の関係についてはこちらから
普段愛想笑いをたくさんする方、表情が硬い方はこれをするだけで睡眠が深くなります。
やり方は特に指定はないのですが、優しく顔の硬さをとるように指の腹でほぐせば問題ありません。(*一番良い顔のマッサージはこちらから)
悪夢への鍼治療
1.トラウマ除去治療
2.心腎不交
3.心脾両虚
4.心胆気虚
5.痰熱
1.トラウマ除去治療
脳には背外側前頭前外側野(以下DLPFC)と呼ばれる脳の部位があります。
DLPFCは主に記憶•意思決定•思考•実行•痛みのコントロールをしています。人間で特に発達している部分になります。
ここは慢性的な腰痛な肩こりなどの痛み、事故や手術、日常での強烈な出来事などのトラウマなどがあると、萎縮してしまいます。
ここの萎縮が悪夢に繋がっている可能性が考えられる場合は、DLPFCが活性化できるような鍼をおこなっていきます。
頭皮に鍼をしていくと、頭皮が緩み副交感神経になる+DLPFCが活性化されますので悪夢の対策ができます。
※詳しいDLPFCの説明はこちらから
2.心腎不交による悪夢
心腎不交とは、慢性的なこりや痛みがあったり、メンタル面がダメージを受けた時に起こるものです。
東洋医学における心は精神を司ることを意味しています。
腎は人間の根幹となるエネルギーのことを指します。
心と腎がうまく機能しなくなることで起こる悪夢の特徴としては、
•眠りが浅い
•頻繁に夢を見る
•寝付きが悪い
ということが起こります。
また、この症状には
•動悸
•手足のほてり
•めまい
•耳鳴り
•腰の重だるさ
などが併発することがあります。
治療ではメンタルの波を抑えられるように心を落ち着かせて、かつ、腎と心がうまく連動できるように働きかけます。
使うツボは人によって違いますが、
代表的なものとして
神門•大陵•風池•復溜•太谿•照海
などです。
3.心脾両虚による悪夢
心配事が多かったり、ネガティブな気持ちになりやすかったりすると、心はダメージを受けます。
また、そういったことがあると消化機能も低下してしまいます。
メンタル面と消化機能の連動がうまくいかず、結果的に栄養が脳に届かずに悪夢を悪夢を見るようになってしまうというものです。
お腹の調子が悪い人はこれにあたることが多いです。
脾とは消化機能のことを指します。
症状としては
•夢を見やすい
•体が疲れる
•精神的なダメージ
などがあります。
また、
•動悸
•不眠
•精神的不安定
•満身創痍
•食欲不振
•疲れやすい
などが併発することもあります。
治療では、メンタル面の不調を改善できるように働きかけながら、消化機能も同時に高められるようにしていきます。
使うツボは人により違いますが
神門•三陰交•脾兪•百会
などです。
4.心胆気虚による悪夢
小さな音や出来事で、強く驚いてしまったり恐怖を感じやすい方に起こるものです。
メンタル面の不安定に加えて、優柔不断であったりする場合が多いです。
症状としては
•夢を多く見る
•悪夢の中でも怖い夢をよく見る
ということが起こります。
また、
•怖がり
•驚きやすい
•イライラしやすい
•情緒不安定
•人間不信
•動悸
などが併発しやすいです
治療では動転している気分や精神面を落ち着かせるようにしつつ、全身がリラックスできるようにしていきます。
使うツボは人により違いますが、
心兪•胆兪•神門
などです。
5.痰熱による悪夢
脂っこいものや、甘い物、味の濃いものやアルコールをいつも飲むというようなことが起こると、胃や腸に熱がこもってしまいます。
そしてそれは胃や腸に停滞して「痰湿」というものになり体にストレスを与えます。そのストレスは体に負荷をかけることはもちろん、メンタル面にも負荷をかけるようになります。
起こると頭がカッとするという言葉のように、熱が上に上がって頭に熱を与えます。
そうなると情緒が不安定になったり、悪夢を見るようになるのです。
症状としては
•夢を多く見る
•情緒が不安定になる
ということが起こります。
また、
•胸苦しさ
•ゲップ
•お腹が膨れる感覚
•食欲不振
•梅核気
•むくみ
•イライラしやすい
などが併発しやすいです。
治療では熱を取り除くようにしながら、お腹に溜まった痰を出すようにします。
使うツボは人によって違いますが
•豊隆•内庭•内関
などを使います。
悪夢へのカイロプラクティック
カイロプラクティックでは、自律神経を整えることに加えて、
骨の配列が体にとって負担のないところに矯正をすることを目的としていますのでより深く気持ち良い眠りを得ることが期待できます。
睡眠の質は自律神経によって決まります。
カイロプラクティックは悪夢治療に最適です。
悪夢というのは
普通に考えて対策や治療を考えつかないかもしれませんが、鍼をしたりご自身でケアすることで防げるものも沢山あります。
悪夢でお悩みの方は一度ご相談くださいませ。
夢の特性と睡眠姿勢:浅岡章一 参照
睡眠の質の低下・不眠・仮眠・中途覚醒など睡眠でお悩みの方はぜひご利用くださいませ
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”NEOCHI”